ハスラーの生みの親。スズキはどのような自動車メーカーか

ハスラーの生みの親。スズキはどのような自動車メーカーか

2014年度のグッドデザイン賞や2014-2015年次のRJCカーオブザイヤーなどを受賞し、今注目のハスラーですが、そんなハスラーを生み出したスズキとはどんな会社なのでしょうか。また、ハスラーはどうしてあれほど人気があるのでしょうか。これからその謎に迫っていこうと思います。

ハスラーってどんな車?ハスラーが人気の理由とは?

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ハスラーは、2014年1月8日にスズキが販売を始めた軽自動車です。軽トールワゴンとSUVの要素を合わせ持つ、新しいジャンルの軽自動車というのが、ハスラー最大の特徴と言ってもいいでしょう。スズキのワゴンRやダイハツのタント、ホンダのN-BOXなどでおなじみの軽トールワゴンですが、近頃は、このジャンルの軽自動車に人気が集中しているため各社、似たような車種が増えてきています。そのため、顧客を取り合う傾向にありました。しかしハスラーは、SUVという要素を取り入れたことで、他の軽トールワゴンとの棲み分けに成功し、アウトドアやスポーツといったレジャーを好むユーザーや轍や雪道といった起伏のある路面を走行する機会が多いユーザーを対象にしたことが、ハスラー人気の理由でしょう。スズキはこの他に、ジムニーというオフロード走行を得意とする軽自動車を販売していますが、レジャーにも対応させることで、棲み分けを図っています。

ちなみに、ハスラーという車名は、「ラフロードを軽やかに走る、活き活きと走る」というイメージから、かつて、スズキの2ストロークオフロードバイクのTSで使われていた「ハスラー」という愛称を流用したのが、由来となっています。

スズキが軽自動車を作るのはなぜ?

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「スズキ」といえば、「軽自動車」というイメージが定着しているように、スズキは軽自動車の開発に力を入れています。その理由は、スズキの会長である鈴木修会長の方針によるところが強いです。現在は、車も普及し日本国内の経済状態も比較的安定しているため、車を所有することに対するハードルも低くなりましたが、昔は現在とは違いました。車を所有するということは、本体価格と維持費の両方の面でお金が必要となるため、地方の所得の少ない家庭では、車を所有することは難しく、ハードルが高いものだったのです。しかし、地方ほど電車やバスの数が少ないため、車を必要としていたのです。そこで鈴木会長は、地方の人たちにも生活の足として、車に乗ることができるように本体価格も維持費も安く済む軽自動車の開発に力を入れているのです。

2014年、4月以降に新車登録される軽自動車にかかる税金の増税が決定してしまいましたが、この話が持ち上がった時も、鈴木会長は増税に反対していました。スズキという会社は、低所得者のことを考え低コストでもより良いものを消費者に届けようと努力している会社なのです。

ただ安いだけじゃない!

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先ほども述べた通り、スズキが軽自動車を開発する理由は、軽自動車の方が普通車に比べて、コストが低いからです。しかし、これはスズキがただ安い車を作っているというわけでは決してありません。スズキには、「人と同じことはやらない。やるなら世界一を目指す」という企業風土があります。これがよくわかるのが、ワゴンRです。今日、軽自動車の主流である軽トールワゴンですが、これはスズキのワゴンRから生まれたのです。軽自動車は、たしかに本体価格も安く維持費も安いが、ボディのサイズが普通車よりも小さいため、おのずと車内空間が狭くなってしまうという欠点がありました。それを背を高くすることで克服したのが、ワゴンRなのです。それまで軽自動車といえば、低車高という概念を壊したこのモデルは、まさに革新的なモデルとなりました。現在、背の高い軽自動車が道路を走っていて、これほど軽自動車の販売台数が増加したのは、このワゴンRが作り出した軽トールワゴンというジャンルがあったからと言っても過言ではないでしょう。ハスラーやワゴンRからわかるように、スズキは革新的なアイディアと発想で、日本の軽自動車産業に新しい風を吹かせ続ける企業なのです。