軽自動車SUV「スズキ・ハスラー」がなぜ今人気に。同社にあるジムニーではなく、なぜ「ハスラー」なのか。一度は衰退の一途をたどる事となった軽自動車SUVの復権の兆しをも見せた「スズキ・ハスラー」注目の理由とはなんなのか。
軽自動車SUV衰退・何が足りなかったのか？
ハスラーが登場する前には「ダイハツ・テリオスキッド」「ミツビシ・パジェロミニ」等が存在し、スズキからも「ジムニー」がラインナップされていました。しかし、「ジムニー」以外の2種は生産終了。軽自動車におけるSUVの流れはもはや風前の灯火状態…。
確かに走る事自体に楽しみを覚えるユーザーはいました。しかし、SUVの「S」というのは「スポーツアクティビティ」を意味しています。これはサーフィン・フィッシング・キャンプ等のアウトドアレジャーを意味しています。
しかし、軽自動車であるこれらの車種にその様な大きな道具を車内に積み込むスペースは物足りない感じです。つまるところこれらの車種はSUVでありながら走りに特化しすぎており、これらのアウトドアレジャーを行ううえで必要な道具の収納スペースが十分ではなかったのです。更に軽自動車という規格ではそのボディ形状そのものを見直さなければ収納スペースの向上は見込めず、多くのユーザーはカートップすることで収納能力を補う形でした。そして日本の道路は時代とともに整備され、SUVでなければダメというような道はほとんどなくなってしまい、これらの車種を選ぶ理由がなくなってきてしまったのです。
シートアレンジから車中泊ブームの流れ
出典：tyrar.com
軽自動車SUVが衰退する中、軽ハイトワゴンタイプは実に売れていました。「ダイハツ・タント」「ホンダ・N-box」等…。
高い天井に目をつけたユーザーの中には、アシストグリップを利用してネットやバーを張り巡らして更に収納スペースを構築したりしました。この流れはカー用品を扱うメーカーにも及び、釣竿用のロッドホルダー等も同様に天井周辺に収納できるようなキットを売り出しました。その様な収納を行っても気にならないほどの高い天井が新たな収納スペースとして活用されていたのです。そして、シートアレンジによって広々としたスペースが確保でき、即席の寝台として機能するほどでした。特に「ホンダ・N-box＋」ではこのフラットなシートアレンジによる車中泊のイメージをカタログにも掲載するほどです。車中泊は道の駅巡りや高速道サービスエリア巡り等でそのスタイルが認知されるようになりました。
これらの機能にアウトドアレジャーを行うユーザーが目をつけます。例えば釣り人が早朝の釣りを行う場合、その前夜に現場に移動して車内で仮眠を取る…というようなスタイルは以前からありました。キャンピングカー以外での車中泊できる車種というのは、こういう人達にとっても非常にありがたい物だったのです。
アウトドア派の希望がユーザーの遊び心に火をつけた
しかし、軽ハイトワゴンというのはどうがんばっても町乗りのスタイルです。いくら道路が整備されていても、アウトドア志向の人からすれば不安です。希望とすれば「シートアレンジは軽ハイトワゴンより継承。室内空間は残しつつ、悪路に備えて４WDで最低地上高は高めて欲しい…。１～２人分の荷物は積み込みたい。」とこんな感じの車が出ない物かと思っていた人が多かったのでしょう。
それを「スズキ・ハスラー」が形にしました。車内空間を確保しつつ、シートアレンジも同社の「ワゴンR」同様に行えます。悪路に対しても４WDや最低地上高だけでなく、発進サポートのグリップコントロールやヒルディセントコントロール等が用意されました。これらの充実した装備がアウトドア派のユーザーを取り込む事に成功しました。
しかし、従来の軽自動車SUVにはなく、「ハスラー」にあるもの…それは見た目。従来の軽自動車SUVでは無骨な感じがありましたが、この「ハスラー」には愛嬌があります。カラーリングも町乗りをイメージしたカラーも多くあります。そんな見た目を魅力と感じたユーザーが少なくないです。公式HPにはユーザー自慢の「ハスラー」の写真が投稿されていますが、レジャーシーンだけでなくドレスアップして見た目をより一層個性的にする人が多い事に驚かされます。アウトドア志向のはずの「ハスラー」でしたが、この遊び心に火をつける見た目が今日の人気につながったのではないかと思います。
時代のニーズと見事にマッチしたハスラーはこの先数年間、人気車種として車市場に君臨し続けるでしょう。「ちょっとでも安くハスラーを手に入れたい！」と思っている方には、中古車でのハスラー購入をオススメします。車選び.comならハスラーの在庫も多いので、より安い価格でハスラーを購入することができます。情報も分かりやすくまとまっているので、使いやすいと思いますよ。
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アイキャッチ画像出典：u-catch.daihatsu.co.jp