ハスラーのあら探し。デメリットはないの?

ハスラーのあら探し。デメリットはないの?

軽自動車SUVとして人気の「スズキ・ハスラー」。そんなハスラーだが、SUVとしての性能はどうなのか?町乗りするときの乗り心地は?人気車ならば次世代ではもっといい車になって欲しいと思うはず。そんなハスラーの足りないところとは?

ワゴンRベースではあるけれど…

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出典:goo-net.com

ハスラーのプラットフォームはワゴンRと同じです。諸元表で見てもほぼその数値は同じです。

しかし、最低地上高を20mm以上ワゴンRより高くしていて、全高の差は僅か5mmです。では差し引き15mmはどこへ?それはキャビンになります。実際に室内寸法を比較すると15mmほどワゴンRより室内の高さが減っています。もっともこれは計測する場所次第なので、実際にはこの数値以上に狭く感じたりする場所もあるでしょう。

意外とこの天井から来る圧迫感というのは居心地を悪くしてしまいます。ワゴンRと客室の大きさを変えることなくそのままリフトアップすることはできなかったのか?この辺はボディ形状が変わっているのでなんともいえません。ボディそのものが重くなっているとすれば、そのまま20mmリフトアップしてしまうと重心も上がってしまい、安定性に問題が出る可能性があります。もしそうだったのであれば、客室の高さを低くする事でそれを防ぐということで、この様な形状に落ち着いたのかもしれません。幸いなことにシート等もワゴンRゆずりなので、シートをスライドさせたりすることである程度好みに合わせた状態を作り出せるので、これで我慢するという形になります。

少々お高くつくのでは?

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出典:www.suzuki.co.jp

ワゴンRベースということもあり、値段はワゴンRと同じ価格からになっていますが…これは2WDでの値段。ハスラーで2WDを選ぶ…なんとも中途半端ではないでしょうか?SUVなんですから、それなりに悪路に強い4WDであって欲しいですし、何よりこのお値段では悪路対策である「ヒルディセントコントロール」や「グリップコントロール」が付いてきません。これではハスラーを買う意味がぼやける感じがします。もちろんデザインでハスラーを選ぶと言う人もいるでしょうが、ボディカラーの選択肢も狭くなってるのでコレで満足できるかどうか…。

では満足できるグレードを選ぶと…約127万円からでしょうか?一番上ですと約166万円となります。最近の軽自動車ならこのぐらいの値段であっても致し方ないでしょう。

…でも、もしハスラーでアウトドアと考えていたら?ハスラーはSUVでアウトドアのための車両と言えます。となればそのアウトドアのために色々アクセサリーを買ったりするのでは?メーカーアクセサリーカタログ内のものを揃えていくとすれば、そのお値段はまたかなりの物になります。あえて多彩なアウトドアのニーズに答えるために、多彩なアクセサリーで差別化できるようにされていますが、トータルでの購入コストという点でのデメリットとなる可能性があります。

性能としては控えめになってしまった?

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apio.jp

同時期に販売された「ダイハツ・ウェイク」もアウトドア志向の軽自動車です。ハスラーとは違い、こちらは収納力で勝負をしてきています。なにしろタントよりも大きな車体となったことで、その収納スペースはかなりの物です。対するハスラーはワゴンRと同程度に収まらざる終えません。その分ハスラーは走破性を確保する事に努めることで差別化を図っています。

ですが、走破性というと…同社のジムニーがライバルとなってしまします。残念ながらフレーム設計からなにまでSUVとして作られたジムニーに対して、ワゴンRベースであるハスラーでは太刀打ちできません。もちろん本格的なオフロードを走る事を考えるのであればどちらの車両もカスタマイズされていくのでしょうが、それでもハスラーのほうが先に限界を迎える事が多いでしょう。

ワゴンRベースにしたことで、町乗りでも快適な走りを提供できるようになった一方で、どうしても見劣りしてしまう面が出てきてしまう感が否めません。ハスラーを別の言い方をすれば「オフロード向けワゴンR」と言ったところでしょうか?こう言ってしまうとなんとも中途半端で客層が狭いように思われます。しかし、同社の軽自動車クロスオーバーであった「Kei」の生産終了を惜しむ声から生まれたのがハスラーでもあります。このハスラーをマイナーと捕らえるか、それともニーズに合わせたと言うべきか…それはユーザーの判断に任せる事にしましょう。

アイキャッチ画像出典:clicccar.com